【バッハ】「蟹のカノン(Crab Canon)」隠されていた秘密

来る5月24日(日)開催の、
「新宿混声合唱団」第48回定期演奏会まで3か月を切りました。

↑カウントダウンを見ていると慌ただしく思います。 🙄

今回の定期演奏会は、次の4ステージ構成になっています。

1.混声合唱組曲「心の四季」(作詞:吉野弘 作曲:髙田三郎)
2.ロシア民謡
3.バッハ モテット3番 BWV.227 Jesu, meine Freude(イエス、わが喜びよ)
4.黒人霊歌(編曲:J.ラッター)

現在、ステージ毎の“暗譜”の期限も団として設定され
全体の定期練習のみならず、
個人的にもそれぞれ時間を割いて
“暗譜”に励んでいる時期と言えます。

「もう3か月しかない」、「まだ3か月ある」
人それぞれ受け止め方は違うのでしょうが、
わたしは、後者の「まだ3か月ある」と思っています。 😆

今の時期は、
定期演奏会を充実した演奏会にするのか?
反省の多い演奏会になってしまうのか?
今のこの時期がとても重要であると思っています。

それには、団員ひとりひとりの意識がとても大切であると思います。

さて、
4ステージの中で、一番難航しているのが、
「バッハ モテット3番 BWV.227 Jesu, meine Freude(イエス、わが喜びよ)」
です。

ところが、バッハばかり練習していると、
他のステージの練習が疎かになってしまい、
逆に、他のステージが上達していない現象が出てきています。

先日の練習で、田中先生にこの現象を見抜かれ、
“カツ”を入れられたところです。
特に、我が「ベース」パートです。 😳

通勤退勤途上など、
出来るだけ、時間を作って個人的な練習量を増やし
演奏曲を自分のものに早くしていかなくてはと思っています。

さて、その一番難航している、
バッハについて、練習の合間の息抜きとして、
バッハが如何に天才であったのかという話題を取り上げてみました。

バッハ(J.S.バッハ)は
西洋音楽の基礎を構築した作曲家であり、
音楽の源流であるとも捉えられ、
日本の音楽教育では「音楽の父」と称されています。

晩年のハッハ1746Bach

その天才バッハが、約200年前に作曲した曲に
隠されていた秘密があったのです。

その曲は、バッハが晩年に作曲した
「蟹のカノン(Crab Canon)」という曲でまさに天才的と言われています。

その秘密とは・・・・・。

1.前からは、もちろん楽譜通り普通に演奏出来る。
2.楽譜の後ろから演奏しても、音楽が完璧に成り立つ。
3.楽譜の前後双方向から一度に演奏すると、更に素晴らしいハーモニーが生まれる。
4.楽譜自体が「メビウスの輪」になっている。

「メビウスの輪」とは、
帯状の長方形の片方の端を180度捻り、
他方の端に貼り合わせた形状の図形です。
1024px-Möbius_strip
←メビウスの輪

何はともあれ、先ずはその曲をご自分の耳で確かめてみて下さい。

どうでしたかぁ?
なかなか感動的な曲になっていますよね。
バッハは、
このような曲構成になることが分かっていて作曲していたなんて、
天才としか言えないですよね。

この曲名にある「カノン」の語源は「規則」を意味する
ギリシア語の「カノーン」という言葉ば語源だそうです。

「カノン」とは模倣による対位法によって書かれた曲のことで、
かえるのうた」のような追いかけっこの歌です。

「蟹のカノン」は「逆行カノン」と言われ、
楽譜を見ると分かりますが、
最初から演奏したものと終わりから演奏したものを
同時に演奏してちゃんとした曲になるように出来ています。
cached.jpg楽譜
各旋律が左右から進行していくところから、
「蟹行カノン」とも呼ばれています。

また、透かして見える横長一段の楽譜があると仮定して、
表と裏からぐるぐる回りながら演奏すれば、
蟹のように横歩きでエンドレスに演奏出来ることになります。

cached.jpgメビウスの輪
この曲は、
プロイセンのフリードリッヒ大王から
バッハに、即興演奏のために与えられた主題に基づいて
作曲されたそうです。

「音楽の捧げもの BWV.1079」の3曲目になります。
音楽の構成の面白さとは裏腹に、儚げな感じの曲で、
遠い記憶を呼び覚ますような、
あるいは、幸せだった頃を懐かしむような、そんな旋律と言えます。

バッハの偉大さを改めて思い知らされますね。

では、また!

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コメント

  1. くまオヤジ より:

    おいちゃん、なかなか含蓄あるバッハ紹介、楽しく読ませてもらいました。
    蟹のカノンのことは、今から20年くらい前に読んだ「ゲーデル・エッシャー・バッハ」という本でも取り上げられていて、すごーい!と感動した覚えがあります。
    とても分厚い本ですが、とても面白くて読み応えのある本ですので、ご一読をお薦めします。
    ちなみに、この本を読んだ後、「音楽の捧げ物」のCDを買ったことも今思い出しました。
    それはさておき、バッハのモテット、一筋縄ではいきませんね(^^)
    それでも練習を始めたころに比べればずいぶん曲らしくはなってきました。
    でも、お客様に聴いていただくレベルにはまだまだです。
    まずは、楽譜を外して歌えるようになることも大事ですが、バッハならではの作品の味のようなものを表現できるようになりたいです。
    今は必死に歌ってますが、楽しんで歌えるように早くなりたいものです。

  2. おいちゃん より:

    くまオヤジさん

    コメント有難うございます。
    「ゲーデル・エッシャー・バッハ」という本ですね。
    今度、本屋さんで探してみます。
    あと、、「音楽の捧げ物」のCDですね。チェックします。(笑)

    バッハのモテット、まだまだ苦しんでおります。(苦笑)
    まぁ、最初に練習を始めた頃に比べると少しは歌えるようになりましたが、
    まだ、お客様に聴かせるレベルではありませんね。
    練習あるのみ。頑張りま~す。(^o^)

  3. やぎ より:

    こんばんは。
    みなさん、バッハのモテットに関する記事やコメントが多いですね。
    5月の定期演奏会拝聴に備え私もモテットの楽譜を取り寄せました!
    歌う皆さんの気持ちになってガッツリ予習して聴きにいきます♫ ♬ ♪

  4. おいちゃん より:

    やぎさん
    お久し振りです。

    わざわざコメントを頂き有難うございます。
    モテット、苦戦しております。

    モテットの楽譜を購入されたのですねかぁ。
    凄いです。
    いやぁ、ガッツリ予習されますと、粗が直ぐに分かってしまわれますねぇ。

    定期演奏会に聴きに来て頂けるのですね。
    有難うございます。

    困ったなぁ!
    恥ずかしいステージにならないように練習頑張ります。