【第九】12月になぜ演奏するのでしょうか?

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今年も早いもので、もう12月になりましたねぇ。
1年が経つのが、毎年、加速度的に早まって来ていると感じるのは、やはり歳の所為でしょうか?(笑)

12月(年末)の音楽と言えば、クリスマスソングと並んで、
ベートーヴェンの「第九」を思い浮かべますね。

 そう、12月になると、

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)の
第9交響曲のコンサートが一気に増えます。

「合唱付き」とも呼ばれるこの交響曲に、
アマチュア合唱団の一員として演奏する側で参加する人もいて、 団員の中にも「第九」を歌ったりしている人もいますね。

ではなぜこの曲がベートーヴェンの故郷であるウィーンから遠く離れた日本で、 しかも年末に演奏されるようになったのでしょうか?

これまで、私は「第九」は“年末の風物詩”程度しか考えていなかったのですが、ここで「第九」について調べてみました。

「第九」がウィーンで初演されたのは、
1824年(江戸幕府第13代将軍徳川家定誕生)でしたが、
日本で初めて演奏されたのは1918年(大正7年)6月1日、
徳島県鳴門市にある板東俘虜(ふりょ)収容所でした。

演奏を行ったのは、
第1次世界大戦で日本軍の捕虜となったドイツ兵がメンバー。
その背景には所長の捕虜に対する人道的な処遇や、
捕虜と地元民との心温まる交流があったそうです。

←ウィーンにあるベートーヴェン像

 

日本で年末の「第九」が定着した由来は諸説あるようですが、
有力なのは以下の2説と言われています。

1.1943年12月に上野奏楽堂で行われた学徒壮行音楽会で
「第九」が演奏されたことに由来するとする説

学徒出陣で卒業を12月に繰り上げた学生たちの壮行会で
「第九」の『歓喜の歌』が演奏されました。

2.貧しかったオーケストラが年末のボーナス獲得のために
「第九」を演奏したことに由来するとする説

人気曲「第九」をやればお客が入る、
アマチュア・コーラスならばコストを抑えられるし、
チケットもメンバーが捌いてくれると、良いことずくめ。

恐らく、この1と2が複合した理由で、「第九」が醸し出す崇高にして華麗な雰囲気が師走に日本人が寄せる感情に合致したことで、「年末=第九」の図式が定着したものと言われています。

実は、年末の時期に好んで「第九」を演奏するのは、日本だけなんだそうです。

ヨーロッパでは、通称「ハレルヤコーラス」で有名なヘンデル作曲の「メサイア」がよく演奏されるそうです。

ベートーヴェンの故郷のドイツのクラシック音楽関係者も、日本での年末の「第九」を好んで演奏されているのに、驚いているそうです。

今年も年末にかけ数多くの第九の演奏が聴かれますね。
皆様も“歓喜の歌”を歌いながら良いお年をお迎え下さい。

では、また!

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コメント

  1. 幽民 より:

    「第九」って、不思議ですよね。プロが歌おうが、ド素人の即席の集まりで歌おうが、大人数とオケの迫力に任せて、上手く聴こえてしまう…ベートーヴェンの偉大さを悉く思い知らされる作品ですね。
    誰が歌っても上手く聴こえる曲を創り出す作曲家こそ、本当の“天才”だと思います。
    しかし、年末の繁忙期によく皆歌うよなぁ、と毎年感心させられる時期でもあります。
    テレビ・ラジオ等で「第九」のフレーズが流れると、年末のせわしない気分を一層掻き立てられ、時々イラッとすることもありつつ…
    「終わり良ければ全て良し」と言えるように、年内にやることをやり尽くして、清々しい気持ちで新年を迎えたいですね!!!

  2. ゆーじ より:

    合唱人生およそ30年の私ですが、「第9」は歌ったことがないのです。
    楽譜だけは買ってあります。
    買ったのは大学生の頃だったか…。
    でも私が歌う前に、妻が先にその楽譜で歌ってしまいました。

    新宿混声をやっていると、練習曲に集中してしまって
    なかなか「第9」まで余裕がなくなってしまうのが現状です。

    せめてテレビ等で素晴らしい演奏を聴いて
    ベートーベンや作詩のシラーの思い描いた
    世界中の人々が一つに成る壮大な世界を感じたいと思います。

    ノーベル平和賞のicanの演説を聞いて、
    そんな世界も絵空事ではないのかも…と
    少しだけ思えました。