こんにちは。幽民です。
遂に定演まで後1か月を切りますた。
先週、先々週と週末強化練習を行い、まるで味噌汁の代わりに生味噌をそのまま食らうが如き濃厚な練習を積んで参りましたww。
先月春休みなるものを取って、ふと思いたち、定演で歌う「岩手軽便鉄道の一月」にちなみ、宮沢賢治の故郷である花巻に1泊2日の旅行に行って参りました。
…しかも青春18きっぷでwww…
その初日3/21の往路行程は、下記のとおり…
中 井 → 高田馬場 → 池 袋 → 赤 羽 → 宇都宮 → 黒 磯 →
着 5:20 5:28 5:48 7:29 8:28
発 5:16 5:24 5:40 5:57 7:37 8:37
郡 山 → 福 島 → 仙 台 → 小牛田 → 一ノ関 → 花 巻
9:52 10:55 快 12:16 13:30 14:32 15:34
10:09 11:00 12:45 13:46 14:37
…のはずが、強風の影響で、黒磯発の列車が遅れ放題…orz
道中、仙台を過ぎた辺りから列車が強風にあおられガタガタいいながら最徐行で進み、かなり危険な状態であった…
結局、花巻に着いたのが2時間近く遅れ17:30位…
駅のホームで、今度演奏する「岩手」の曲集中「海だべがど」に出てくる、鹿(しし)踊りの装束が迎えてくれました。
駅の南側に、かつての岩手軽便鉄道(後にJR釜石線になっていった)の花巻駅跡の碑が立っていました。
昔は今の釜石線とはちょっとルートが違っていたようですが、かつてここから汽車が走って行った時代に暫し思いを馳せました。
そこからバスで40分ほど掛けて、新鉛温泉で1泊。
地元の料理と地酒、温泉を堪能しますた。
翌朝、花巻駅→新花巻駅行きの送迎バスで、有難いことに駅でお客さんを降ろした後に「宮沢賢治記念館」まで運んでくれることになりますた。
地図で見ると花巻駅から歩いて行けそうだが、実際バスに連れて行ってもらって大正解。結構距離があった…
しかも、賢治記念館は山の上にあり、これは歩きで行ったら結構な山登りになるところであった(汗)。
念願の賢治記念館に入館。賢治の遺した書籍、原稿、果ては愛用のセロ(チェロ)も展示してあった。
「セロ引きのゴーシュ」の世界よろしく、結構演奏や楽曲の製作にはまっていたみたいですね。
また、賢治の作品が世界中の言語に訳された出版物も数多く展示されていました。世界の人々にも多く読まれているのはすごいですね。
それから、賢治は学生時代に法華経に接し、衝撃的ともいえるほどの感銘を受け、生涯法華経の精神を実践して行った様子が展示物から伺うことができます。
自分の死後、お世話になった人たちにお経を出版して配って欲しいという遺言を残し、死後そのとおりに出版されたお経の本の現物が展示されていました。
今回演奏する曲の中にも、法華経の精神に裏付けられた片鱗がうかがえます。
「ああ、マヂエル様、どうか憎むことのできない敵を殺さないでいいように早くこの世界がなりますように、そのためならば、わたくしのからだなどは、何べん引き裂かれてもかまいません。」(「祈り」)
この曲は「烏の北斗七星」という童話の中からの引用です。自分のことはさて置いて、人のために働き、平和を希求する心。
そういった精神に裏付けられた作品の数々を経て、晩年にはあの有名な「雨ニモマケズ」へと昇華して行ったのでしょうね。
賢治記念館からの山を下りて、向側にある「宮沢賢治童話村」に入りました。
「賢治の学校」「賢治の教室」の2つの建物からなり、前者の「学校」は宮沢賢治の世界観を5つの部屋に分けて体感する一種の“劇場”仕立てになっています。エントランスには北斗七星などの星座をあしらっています。
後者の「教室」は賢治の童話でよく取り上げる「植物」「動物」「星」「鳥」「石」について、それぞれにログハウスの
展示教室を設け、作品と絡めながら、賢治がこれらについて研究していた片鱗を伺うことができます。
「星の教室」で、先ほどの「烏の北斗七星」に出てくる北斗七星についての記述が下記のとおりありました。
「ひしゃくの形の北斗七星(略)ひしゃくの先端の2つの星を結んで約5倍すると、北極星が見つかります。
北斗七星の学名は『ウルサ・マジョール』です。童話『烏の北斗七星』では、北斗七星が『美しい七つのマヂエルの星』と
表現されていますが、賢治さんは学名を知っているくらい、星が好きだったようです。」
また、「星めぐりの歌」に出てくるアンドロメダ星雲についても展示されています。
そうこうしているうちに、18きっぷで今日中に帰らなければならないため、13時過ぎのバスで花巻駅に戻り、下記の工程で帰京す。
3/22の復路行程:
花 巻 → 一ノ関 → 仙 台 → 福 島 → 黒 磯 → 宇都宮 →
着 14:42 16:35 18:22 20:44 21:43
発 13:53 14:53 17:01 18:50 20:52 21:47
赤 羽 → 池 袋 →高田馬場→ 中 井
23:28 23:39 23:47 23:56
23:30 23:43 23:52
何とか今日中に帰り着いたwww
コメント
興味深い旅行記、ありがとうございました。
いいっすね。
幽民さんは、星野富弘の曲を演奏したときにも、「富弘美術館」に行かれてましたね。
丹沢の曲をやったときに、丹沢まで登山をしたり(あのときは幽民さんはいたかな?)、
こういう詩の舞台を訪ねる旅は、心を豊かにする気がします。
心が豊かになっても、直接演奏に効果が出ないのが悩ましいところですが…。
せっかく1年かけて曲に取り組むのですから、
歌うだけでなく、関連する本を読むなり、映画を見るなりして、
大いに楽しみたいと、常日頃思っております。
今回、私も宮沢賢治の世界に因んで、1枚のCDを買いました。
富田勲作曲「イーハトーヴ交響曲」。
冨田勲さんという作曲家は、「ジャングル大帝」のテーマや、NHK「今日の料理」のテーマで有名です。宮沢賢治の作品は、クリエイターの創作意欲を刺激する特徴があるように思います。
個人的には、彼の作品の中には、どこか未完成な部分が残っていて、なにかいじってやりたくなるのではないかと思ってます。
「銀河鉄道の夜」の原稿にはナンバーがふられてなかったので、いまだに物語の順番は謎のままなのだそうです。そういうどこか素人っぽい隙が、実は魅力になっているような気がしています。
偉そうなこと書いてしまった…。
幽民さんらしい旅ですねえ。
練習曲や賢治を思い浮かべながら、ふうん。へぇー! なるほど・・・と興味深く読ませてもらいました。
そして、この旅の話より先に、翌日のお花見でお土産の地酒2本と小豆餡・白餡・胡麻餡の3種類ある“賢治最中” を美味しくいただいてましたー(^ー^)
練習曲に因んだ何かをするのは楽しいですよね。
う~にさんは「イーハトーヴ交響曲」ですか。聞いてみたいな。
そうそう、「丹沢で丹沢を歌おう」 登山は趣旨は良かったのですが、練習が始まったばかりで完全に覚えていなかったので、みな一斉に音を失って止まったり、何度も同じ箇所を繰り返し続けて終われない・・・というおマヌケな結末でありました(^ェ^;
よかったですね。
食事おいしそう。
星めぐりの歌 大好きです。
「急に思い立って」という旅は、私のあこがれです。
花巻では、お天気も良かったようですね。青空がきれいです。
旅は、「非日常」を味わえるし、心を豊かにします。
曲への向き合い方も違ってくるのでしょう。
また、どこかへ行ったら、お話を聞かせてくださいね。
充実の旅ですね!!写真も沢山載せられていて、楽しく読ませて頂きました(*^_^*)
東北は、もうかれこれ20年近く回れていません。。。ピンポイントで紅葉を観に行ったりはしましたが。
観光の場所だけでなく、それぞれの街をゆっくり歩いてこそ、その土地を本当に味わう事が出来ますよね〜。
観光バスでグルグル連れ回されるのとは違う行程で、ゆったり旅を楽しみたいです!
幽民さん なんと慌ただしいスケジュールの旅でしたね。
逆にこの旅行は 思い出の中に深く染み込むのでは?
小生も2年ほど前、新幹線で 神戸に向っていて、台風の中静岡過ぎで直撃をくらい
立ち往生・線路の上で5から6時間缶詰め状態・・
車両もグラグラ揺れて幽民さんと同じように危険な状態でした。
神戸に14時頃着く予定が、新大阪で運転中止。その後九州新幹線に乗り換え神戸まで。
その後の新幹線は、大混雑で、東京からは中止になっていました。
紙い一重で神戸まで着いたのです。
下手をすると名古屋あたりで一泊だったのです。
乗り継ぎ神戸に着いたのは20時 何と6時間遅延です。
友人とは会えたもの、予約は取り消しで美味しい?食事はキャンセル 居酒屋で一杯!
時間に迫られて、払い戻しの行列に並ばず、高い新幹線料となった次第です。
でも、後から思うと証明書を発行してもらっていればと後悔しています。
今回の演奏会のステージ“宮沢賢治の世界”いろいろな事を思い浮かべ、楽しく聴いて頂けるように ステージに立ちたいです。
もう後11日 ソロソロカウントダウンです。
10・9・8・・・・
19日(日)新宿文化センター大ホール 14時開場 でお待ちしております。