あれから5年余り…そして今…

どうも、幽民です。2本立ての第2弾です。
先ほどの花見の記事と同じ投稿文に載せるのがちょっとふさわしくないと思いましたので、別にしました。

先日、熊本及びその周辺で大きな地震が起きました。なおも大きな余震が続いている模様です。
被災された皆様には心からお見舞いを申し上げます。

何しろ、収束の気配がなく比較的強い余震が毎日断続的に続くというのは、相当な不安とストレスが募ることと思います。
熊本のシンボル、熊本城も瓦が剥がれ、楼門が崩壊し、櫓もわずかに線状に残った少ない石垣で辛うじて支えられている状態…
清正公もこの様を見て何と思われるやら…
熊本城のみならず、熊本市及び周辺の市町村、阿蘇方面、大分県の一部に至るまで壊滅状態とも言える甚大な被害を受け、映像や写真で見る惨憺たる有様に唖然とするばかりです。
余震が続き危険な状態のため、救助、避難、支援活動にも遅れ、支障が出ていると聞きます。
一刻も早く、少しでも状況が改善されるよう、切に願うばかりです…。

今年は、あの東日本大震災から丸5年が経った年でもあります。
2011年3月、あの時も首都圏では、震災当日のみならず、しばらくその後の生活にも影響がありました。
震災の影響による福島第一原発の事故に伴う電力不足に備えるため、通勤電車も間引き運転、計画停電などもありましたね。
そして、新宿混声の活動にも支障が…
練習会場となる新宿区内の施設が、節電のためすべからく夜間の練習を自粛するよう要請があり、本番まであと2か月を切るか切らないかという追い込みのタイミングで、毎週火曜日夜の練習の基盤を失うという非常に痛い状況に追い込まれました。
ただ一部の区内施設では夜間も使用ができましたが、それだけでは補いきれず、区内の教会や民間ホール、他区の施設など、使えるところをシラミ潰しに当たり、何とか会場を確保し、ほぼ当初の計画通りに練習を行うことができました。

しかし、本番2か月前を切った4月に入り、最大の試練が…
新宿文化センターの震災後の点検の結果、大ホール内部の内装に使われていたタイルが浮き上がり、崩落の危険が生じたことが発覚したため緊急工事の必要があり、少なくとも6月までのホール使用を停止する旨、文化センター側から通告を受けました。
これにより、5月に予定していた新宿文化センターでの本番は絶望となり、代替会場を大至急探すか、他の日に振替・延期するか、最悪の場合その年の定演は中止するかという最大の危機に見舞われました。
1966年の創立以来、毎年1回の定期演奏会を欠かさず行うことを団是としてきた新宿混声にとっては、創立以来の危機でした。
最悪の事態を回避すべく、他会場をこれまたシラミ潰しにあたりましたところ、何と!奇跡的にすみだトリフォニーホールの大ホールに、しかも予定していた定演の日と同じ日に丸々空きがあるとのことがわかり、直ちに事情を話してホール確保に動きました。
トリフォニーの事務局の方々は親切に対応して下さり、正に地獄に仏の思いでした。
おかげで、当初の定演期日を変更することなく、第44回定演を無事行うことができました。

なぜここまでするのか?こんな非常時に合唱、練習どころじゃないだろうと、批判をする人も出てくるかも知れません。
ただ、当時の我々は、自粛することによって何も状況が変わることはなく最善の方法とは思わない、無理をする必要はないが、普段どおりの活動・生活を取り戻し、それを継続していくことが、復旧・復興につながるのだという考えで明確に一致していました。
だから我々は、活動を普段どおり維持していくためなら、あちこちの会場を当たるなど、どんなことでもやり抜こうとしたのです。
大変な状況下での活動ではありましたが、むしろそれにより団の皆が団結して演奏会を成功させようという気持ちが、例年になく高まった年であったと思っています。

あの危機を乗り越えたという経験と自信が今の我々にはあります。
ダジャレになりますが、地震が与えてくれた自信ともいえるでしょう。
それを含めて、我々新宿混声は50年の歴史を積み上げてくることができました。
決して過信になることなく、その時与えてくれた自信を持って万事に当たれば、今目の前にある大なり小なりの様々な問題も悉く解決できる、来たる50周年の記念演奏会も必ずや成功するものと信じております。

被災された皆様、今は我々の想像のつかない、途方もない困難に見舞われていることと存じます。
軽々しくこのようなことを申すなと言われるかもしれませんが、必ずやこの今の危機は乗り越えられる時が来ると信じています。
普段どおりの生活を一日も早く取り戻して行くことができますよう、切に願って止みません。

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コメント

  1. やっち より:

    演奏会まで2週間となりました。2週間後のちょうど今、開演してる時間ですね。うわーっ!!

    熊本の地震、なかなかおさまりませんね。ただでさえ初夏の陽気で体が疲れるのに、自宅に戻れず揺れに耐えている方々は、どれほど不安で疲弊していらっしゃることかと気の毒でなりません。私も東日本大震災を経験していますから。
    何の足しにもならないけれど・・・私たちの歌が役に立つなどとは思っていないけれど・・・と、それでも、もし「歌が聞きたい」と思う人がいたならとの思いで、福島の方の避難所になっていた赤坂プリンスホテルにチラシを置かせてもらいましたね。チラシ持参の方は何人でも無料入場可として。
    あのとき来てくださった方々は、今頃どうなさっているかなあ?と時々思い出すことがあります。