入団理由いろいろ

定演から2週間近く経ちました。
この2週間足らずの間に既に練習が2回あり、この2回ともに複数の見学者と入団者が
ここ数年、新宿混声には多くの見学者がやってきます。
そして嬉しいことに、入団者も増えています。 それも男女ほぼ同数。
入団の理由を聞いてみると、
① 先生が基本的なことからきちんと説明してくれたから。
② 今までの長い合唱経験の中で聞いたことのないことを教えてくれていたから。
③ 練習は厳しそうだけど、みんな一緒なら頑張れると思ったから。
④ 見学の時みんな親切にしてくれて、雰囲気も良かったから。
⑤ 練習だけでなく、楽しそうなイベントもあるから。
など、人それぞれ。
因みに、私は合唱部に所属したことがなく、学校の授業で習った合唱曲くらいしか知らない状態で見学し、④と⑤が決め手となって入団した1人です
 
残念ながら、仕事や家庭の事情が変わったり、簡単に考えていたら付いて行けなかった・・・など、1年足らずで退団なさる方もいらっしゃいますが、定演を経験すると、それまでの道のりが厳しいほど大きな充実感で満たされ、来年も頑張るぞ! となるわけですね。
 
さて、昨秋、珍しい(?)動機で入団した方がいらっしゃいましたので、ご紹介します。

学生時代の合唱団で田中登志生先生の薫陶を4年間受けたとおっしゃる “ホセ・ノ・カレースキさん” は、社会人になっても合唱活動を続け、所属する合唱団のほかにも頼まれて助っ人参加したり、転勤先の数々の合唱団で活動なさっていた方。
そうした経験を重ねるうち、田中先生の指導力の素晴らしさを改めて感じるようになって、転勤先から久しぶりに東京に戻ったのを機に入団なさったのだそうです。
以下、ホセさんが語る田中先生の指導の魅力です。

「数十年ぶりに受けた先生の指導は、学生時代より優しいな、とは思うものの、他の指導者に比べると、ずっと厳しいでしょう。
しかし、厳しいからこそ、そこで得られる緊張感は得難いものです。
週に一度の練習時間ですが、その間、私は凄く集中出来ます。 合唱に没頭することで日常の些事を忘れ、仕事のストレスも解消出来ている気がします。

また、先生のタクトの振り方も魅力です(勿論素手のこともありますが)。
練習の最初からステージと全く同じ振り方で指揮していただける上、大変きめ細かく指示をしていただけるので、とても歌いやすいのです。
先生は、「自分は振り過ぎだ」 と自嘲気味に仰ることがあります。 つまり 「みっともない」 ということなのですが、そんなことはありません。
本来、合唱は音楽です。 目を閉じ、耳を凝らして味わうものですから、合唱団が歌いやすく、曲の魅力を最大限に引き出せる演奏を導いてもらえるなら、こんな素晴らしいことはないでしょう(聴衆にとっても)。

しかし、最大の魅力は、音楽への愛情と、理解の深さにあると私は思います。
実は私の父(故人)は音楽を生業とし、私自身も合唱指導者や伴奏者なども経験しています。 そのためか、大概の指揮者の曲の理解と私の理解は一致するのですが、そんな私が田中先生の曲の理解については、「そうか」「なるほど」という感想を抱くことがあります。 それだけ他の指導者に比べても音楽に対する深い理解力をお持ちの方だと感じるのです。
そして音楽に対して深い愛情もお持ちだと感じるのは、練習の厳しさです。
音楽を愛するが故に、練習であっても極力よい音楽を奏でたい・・・ そんな思いから、緊張感の欠ける演奏が許せないのでしょうし、当然妥協もしたくはないのだと思います。
今回の定演では、私たちの未熟さにより、いくつもの妥協を先生に余儀なくさせてしまいました。 これは先生に対して申し訳ないというより、合唱団として、とてももったいないことだと思います。
自分たちのためにこそ、先生に妥協をさせない演奏を目指したいものです。 そして、より多くのものを先生から引き出しましょう。 そうすれば、私たち自身がより深い音楽の世界に浸ることが出来、より幸せな時間を過ごせることになるのではないでしょうか。」

う~ん。
音楽に造詣が深く、色々な合唱団を知っているからこそのホセさんのお言葉・・・
田中先生の練習が当たり前と思い、「明日のバーベキューは晴れで良かったわあ」 なんて遊ぶことばかり考えている私とは大違いです。
でも、定演間近の、私たちが先生の指揮にビタっと合うようになると音楽が生き生きとしてくるのはわかるので、今から1回1回の練習を大事にして、前回より1段上の演奏が出来る合唱団になりたいと思いました。

実はホセさん、最後に、「先生、これからも是非びしびしとご指導を。」  と書かれているのですが、それは先生には内緒にしときます

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コメント

  1. やぎはら より:

    私はまさに入団したてなのですがちょっと思ったことを。
    練習見学を3回フルにさせてもらった私が入団を決めたのは「みんなの声の出し方が積極的」「先生がわかりやすく説明してくれる(厳しいけど)」「先生がとにかく基本に忠実である」「歌唱のレベルが高い」でした。
    何となく集まって何となく練習して曲の体裁整えて数年に1回くらいステージやって、ではいけない!と思っていた私にとっては良い団を見つけたと勝手に思っております。末永くよろしくおねがいします。

  2. はったん より:

    Yさん、ブログデビュー ! パチパチパチ ヽ(´▽`)/

    私は3年前の定演を聴いてから見学をして3回目で入団しました。
    入団当初から変わらないのは「T先生の熱心なご指導」と「ジャンルに拘わらない選曲」です。決してレベルが高いとは思いませんが、常に上を目指して先生が皆を引っ張り上げようと一生懸命指導して下さいます。

    私も合唱経験はあまりありませんが、初心者だからこそ基本に忠実な先生の指導を受けられて良かったと思っています。

    新しい若い仲間が増え、刺激を受けながら私もまた「初心に返って」頑張りたいと思います。
    新人さーん、宜しくー o(^▽^)o

  3. にょぎ より:

    ホセさんの熱く情熱的なコトバの数々…!!田中先生も、日頃の熱心な指導をこんな風に受け止めてくれる団員がいる、という事は、嬉しく思われるでしょうね。

    私は、気付けば入団して10年目に突入しております。
    田中先生のキビシ〜イ指導に、もうダメかも( ;´Д`)…とか、そんな言い方しなくたって…(*`へ´*)!などなど、色んな感情を持って過ごしてきましたが、やはり一貫して、『音楽を作り上げる事に関して妥協しない』という先生の姿勢をいつも感じて、これまで続けてこられたような気がします。

    ここのところ、続々と入団者が来て下さるのも、先生と私たちの作り上げる音楽に何かを感じてもらえたからなのでしょう。
    今が一番入団するのに良い時期(一緒にスタート出来ますから!)ですので、興味を持たれたかたは是非、見学にいらして下さい、一緒に歌いましょう ♪♪♪

  4. 香り水仙 より:

    私もまだ1年に満たずまだおたおたしていますが、新しい方がどんどん入られるのでぼんやりしていられないなと感じているところです^^;。

    皆さん入団の経緯はそれぞれですね。私は指揮者メンバーとも納得できる女声で長く歌っているのでそれは良しとして、参加していた地元の混声があまりにもいい加減なので、どこか合うところはないか探していました。

    男声が少なくて大変なのでまずはバランスが取れていることがいいなと思ったし、ハーモニーの基本を大切にされる田中先生の指導に感激しました。また、いくら指揮者に力があっても、ついて行く方の気持ちが上を向いていないと仕方ありません。ここなら今より上手になれるかも、と期待をもって入ったのでした。

    人事も整ってメンバーも皆さん親切でよかったのですが…最初、なんで先生はこんなに怒鳴ってばかりで、皆面白いのかなぁと不思議でした(笑)。今は趣味とはいえ、せっかくなら理想を高く持ち、もっと上を目指したいと思う人が集まっているんだなぁと感じています。

    「長くコーラスをやっていても上手に歌えるのとは別」という先生の言葉を聞くたびに、私も頑張って少しでもいい状態で歌えるようになりたいなと思います。とはいえ気持ちと現実はなかなか思うように一致せず「音が苦」になることも多々ありますが^^;ルーキーのみなさんのフレッシュな風に触れて、一緒に頑張りたいと思います。

  5. う〜に より:

    ホセさん、すごい!
    音楽に対する愛情、というか向かい合う姿勢の美しさが感じられます。

    田中先生の音楽に対する姿勢は、
    私のようなドシロウトには、反発を感じることも少なくありません。

    趣味でやってるだけなのにあの厳しさ!
    「音楽って、音を楽しむって書くんだろ?」とうフレーズが頭を何度も駆け巡ります。
    私は合唱は詩がついているものなので、
    もっと詩の内容を楽しんで、気持ちを入れて歌いたい方なのですが、
    田中先生にとってはそれは二の次。
    まずは楽譜という設計図通りに音を出せば作曲者の意図が表現できる。
    気持ちを入れるのは、それが出来てからなのです。
    (気持ちを入れて歌うことを否定しているわけでは決してありません。)

    しかし、私も入団してからもうすぐ17年。
    反発を越えて垣間見えて来たのは、いい音楽を作ることの難しさ。
    またそれを、あぁでもねぇ、こぉでもねぇ…と
    考えあぐねながら作っていくことの面白さ。

    新宿混声は、
    辛いことも多いですが、そんなことはのらりくらりとかわして
    続けていくだけでも面白いと思います。

    田中先生のおっしゃったフレーズは
    おやじの小言のように、なんとなく頭の中に残り、
    いろいろ気づかせてくれます。
    そして音楽に向かう姿勢、とまでは行きませんが、
    音楽の聴き方、作り方が少し変わっていくのです。

    興味を覚えた方は是非見学にいらしてください。
    ああ、こんな書き方だと若い人は来ないかなぁ…

  6. ちー丸 より:

    まずは歌が好きであること・・
    見学した際、とても美しく魅力的なハーモニーに驚いたこと・・
    そして自分も一緒に歌いたい!と単純に素直に思ったこと。
    私の入団動機はこうでした。

    それからはや12年?13年?^^;
    厳しいけれど情熱的な先生の指導は、考えていた〝良い趣味〟の域を越えて
    私に色々な経験と向上心をもたらしてくれました。
    合唱はやればやるほど楽しくなり、
    また難しく悩ましくなります。(あっ、でも悩みも楽し!♪ですよ)

    指導の良し悪しは当然その合唱団を左右します。
    「新宿混声」は良いですよ~!!
    合唱の楽しさ、音楽の深さはもちろんのこと、
    それ以上の何かを感じ、自分の中に構築することができると思います。
    上手い言葉が浮かびませんが、
    10年以上続けている私の感想です。

    どうぞお気軽に見学にいらしてくださいね!^▽^

  7. 幽民 より:

    どうも。ホセさんの後輩の幽民です(笑)。
    確かに、学生時代に厳しく田中先生からシゴかれた頃を思えば、私も新宿混声に入った時は「アレ、先生、こんなに優しく接してるの??」という印象を受けました。
    もっとも、入団当時は上手い人が多かったからあまり先生も意に介さなかったとこともあるのでしょうが、だからといってユルユルというわけではなく、発声をしっかり、みっちりやることを根本とすること、実際の歌においてもそれをきちんと応用させるところは基本的にブレてません。
    新宿混声の現団員、あるいは過去に関わった元団員の人たちも含め、「あ、あの時きっちり教えて頂いてよかった」という声を聞きますので、間違いなくその根本とするところは生かされていると思います。
    しっかり合唱を一から始めたい方に、新宿混声はおすゝめだと思います。