声は楽器!?

「声が出る仕組みを知って曲を上手に歌おう」

「声は楽器」という言葉を良く耳にします。

“声”は、身体的なものですから、
“声”に自らの感情を乗せることが出来るという意味で、
主体的でかつ自律的な「楽器」と言えます。

また「楽器」の原語である「Instrument(インスツルメント)」は
「道具」を意味し、声は、楽器=道具であるということも言えます。

しかし、声=楽器=道具と呼ぶのであれば、
楽器(道具)本来の機能を知り、十二分に使いこなせないと
宝の持ち腐れになってしまいます。

そして声のもつ可能性と共にその限界を把握することで、
100%に近いパフォーマンスを発揮出来るようになると言えます。

そこで小生は、発声法については教えられませんが、
今回は、声の仕組みについて調べてみました。

声は、喉仏の後ろに肺に繋がる空気が通る気管があって
気管の入り口付近に声帯という“ひだ”があります。
肺から出た空気が“ひだ”にぶつかると、
1秒間に200回もの早さで声帯が震えて声が生まれているそうです。

声帯場所

↑声帯のある場所

そして、この声帯の長さが声の高低と関係しています。
男性は変声期というものがあり、
その際に、喉仏が前に突き出てきます。
そうすると、喉仏に引っ張られ声帯も長く伸びて、
音の高さが下がるようになります。

丁度、バイオリンやチェロの弾く弦の長さによって
音の高低が決まるのと同じですね。
声変わりの前後では、約1オクターブも変わると言います。

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↑朝日新聞よりお借りしました

余談ですが、男性は何故声変わりをするのでしょうか?
動物で言えば、
雄同士で争う時のアピール材料と考えられていて、
雌にモテるためとも言われています。

人間の場合、女性に男性の声を聞かせた実験では、
低い声の持ち主の方が『大きくて強い』という印象を持たれ易いそうです。

さて、話が逸れてしまいましたが、
声帯の話に戻しますと、肺から出た空気が“ひだ”にぶつかると
声帯が震えて声が生まれていると言いましたが、
声が出ている時は、声帯は閉じています。

逆に、声帯が開いていると振動しないため音になりません。

seitaiheisa

息漏れなどと言われている人でも声が出ている以上、
必ず声帯は閉じていますが、
少し隙間が空いていたりするとそこから空気が漏れてしまう、
かすれたような声になってしまいます。

声帯がしっかりと閉じていればそれだけ振動が大きくなり、
芯のある声になります。

裏声は声帯を引っ張ることにより、
ピンと張った声帯に空気が当たり高い声が出るそうです。

ところが、人間の声の仕組みに関して医学的に完全には
解明されていないそうです。

ただ言えることは、声帯は粘膜のヒダで出来ていて
デリケートな部分であるため、
声帯そのものを鍛えることは出来ないそうです。

そこで、「エッジボイス」という発声方法があります。
エッジボイスは、ヴォイストレーニングの一つで、
高い声を出したい人には有効的なヴォイストレーニング法とされています。

エッジボイスの練習をする事により、声帯を含めた発声器官の脱力や
声帯を閉鎖させる感覚を養う事が出来るそうです。

エッジボイスのやり方を簡単に説明すると、
「ア」 と言う時の口を開き、声を出さずにそのまま息を吐いていきます。
吐いている途中で、だんだん声を出していきます。
すると「ア”ア”・・・・」という感じになってくると思います。
これがエッジボイスだとされています。

エッジボイスには高音時の雑音を除去する効果があり、
高い声で歌う時に、無理に声を張り上げて歌う必要がなくなります。

エッジボイスは、なるべくリラックスした状態で行うのが大切だそうです。
エッジボイスで、声帯付近の筋肉を鍛える事が出来、
喉にかかる余計な力みを抜いて歌う事が出来るので、
高い声を出したい方はマスターしたいトレーニングのひとつだそうです。

エッジボイスの発声法についてYouTubeにありましたのでご参照ください。

エッジボイスだけで声帯付近の筋肉を鍛える事が出来る訳ではないと思いますが、
何れにしても歌が本当に上手くなりたいのであれば、基礎と合わせて
技術を磨く事が大切ですね。頑張りましょう。

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では、また!

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コメント

  1. ゆーじ より:

    おいちゃん、すごい勉強熱心ですね!
    頭が下がります。

    今はYou Tubeでこんな動画もありますし、
    自分で貪欲に勉強することができるのですね。

    エッジボイスは初めて知りました。
    実際の発声に応用するには、
    しばらく時間がかかりそうですが、
    新しい練習法を聞くのは新鮮で、
    いい刺激になります!

    しかし、あまり自己流で練習するのも、
    周りと発声が合わなくなる可能性があるので、
    注意が必要ですね…

  2. にょぎ より:

    エッジボイスという言葉は初めて聞きましたが、この声って練責が発声の時に時々指示する発声法と同じでは?と思いました。
    良い声を出すには、色々な方法や訓練があるのですね。
    自分に合うやり方を見つけて、継続していくことが大切なのだと思います。

  3. おいちゃん より:

    ゆーじさん

    コメント有難うございます。
    実際にどうやって声が出るのか気になりまして調べてみた次第です。

    それにしても、「声帯」って大袈裟ですが、
    生命の神秘というか、上手く出来ていますね。

    歌を上手に歌うには、先ず声帯の構造を理解して発声するのが、
    上手くなる秘訣かもしれませんね。

    「エッジボイス」、私も初めてこの言葉を知りましたが、
    ゆーじさんの仰る通り、大前提はコーラスですから、
    自己流で練習すると、和を乱すことになりますので、
    先ずは全体の和を大切に発声を心掛けないといけませんね。

  4. おいちゃん より:

    にょぎさん

    コメント有難うございます。

    私も、今回発声をテーマに調べていて、
    「エッジボイス」という言葉を初めて知りました。
    そう言えば、
    練責が指導頂く時の発声法と同じ(似ている)かもしれませんね。

    色々な練習方法で、もっともっと、上手になりたいですね。
    来年の定期演奏会に向けて、お互いに頑張りましょう。

  5. ひろりん より:

    おいちゃん、声帯について色々とありがとうございます!
    実は、私、声帯にポリープが出来たことがあるんです。それも、2つもです。
    ご存じの団員もおられると思いますが、新混に入団する少し前でした。
    そのために、入団が半年遅れたのです。

    おいちゃんが説明して下さった声帯の図、手術の前に耳鼻咽喉科の先生に何回も見せられました。声帯が閉じないので、それはそれは変な声!どうも、「カラス声」というらしいです。もちろん、歌は絶対ダメ。話すのもダメだし、人が話すのを聞くのもよくないと言われました。聞くことで、自分の声帯が震えるそうです。
    幸い、全身麻酔での除去手術は成功して(術後1週間は筆談でしたが…)もとの声に戻り、めでたく新混に入団できました。が、手術の失敗で歌えなくなる人もいると聞き、ビックリしました。
    声帯にポリープが出来るのは、正しい発声ができていないからです。いわゆる、喉声で歌うと声帯に負担がかかるということです。

    新混に入ってからは、毎回の発声練習、大網先生のヴォイトレなどのお蔭か、高い音を出しでも、声がかすれることがなくなりました。
    この調子で、これからも、正しい発声を身につけていきたいです。

  6. おいちゃん より:

    ひろりんさん

    コメントを頂き有り難うごさいます。

    ひろりんさんは、喉にポリープが出来て手術されたのでしたかぁ。
    新宿混声に入られる前に、急激に大きな声を出したり、
    声を使い過ぎていたのでしょうか?

    でも、新宿混声に入られて、大網かおり先生のボイトレで、
    正しい発声が出来たので、今は大丈夫なのですね。

    それはそれは、新宿混声に入られて良かったですね。(笑)

    お互いにこれからも練習を頑張って、
    良い声で歌いたいですね。

  7. でんけん より:

    発声の仕組みを学ぼうと思っても、なかなか出来なかったのですが、コンパクトにまとめて頂いて助かりました。
    エッジボイスのYouTubeを見て、個人ボイトレの時、田代先生に言われた事を思い出しました。
    田代先生は、顔を必死な表情にせず、自然な感じにと言われますが、声帯だけは、多少意識して、緩め過ぎない様にと、教えられました。
    適度に声帯を意識した方が、その周囲の無駄な力が、かえって抜ける様な気もします。
    また、練習責任者から言われた、自分の耳で聞こえる音でなく、録音して、音が飛んでいるかの確認も、遅まきながら、しようかと思いました。

  8. おいちゃん より:

    でんけんさん

    コメントを頂き有難うございます。

    実は、私も、声帯がどういうものか良く分からなかったので調べてみた次第です。
    声帯の仕組みって良く出来ていますよね。
    大袈裟に言うと、「生命の神秘」と言っても過言はないかも知れません。

    声帯の仕組みを知って、声帯を意識しながら歌えば、
    より綺麗な声で歌えるのかも知れませんね。

    お互いに頑張りましょう。

  9. 幽民 より:

    おいちゃん、よく調べましたね!!すごいです。参考になりました。
    人間が声を出す仕組みって、よくできていますよね。
    先日、NHKスペシャルで「人体」シリーズが始まりましたね。
    初回の土曜日は見たのですが、翌日曜は用事があってみることができませんでした…。
    新たに発見された人体各所の働きについてCGを駆使してわかりやすく面白い内容になっていました。
    「人体」シリーズで声の働きを取り上げてもらえるといいな…